金・貴金属を買取する査定士に必要な資格とは?【現役鑑定士が解説】

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金やプラチナと言った貴金属を買取する鑑定士になる為には必要な資格があるのか?また貴金属を買取するお店を開業したい時に必要な資格は何なのか?

結論、貴金属を買取する鑑定士になるには特に必要な資格はありませんが金、貴金属を買取するお店を開業したい場合は古物商が必要になります。

営業したい都道府県の公安委員会の許可さえ取ればどなたでもすぐに貴金属買取は営業する事ができる為、開業自体のハードルは割と低いと言えます。

今回はもう少し詳しく貴金属買取に関する資格や業務について解説していきます。

この記事を書いた人
KAKITANI

鑑定士歴15年。大手質屋で買取販売業務に従事し現在買取専門店に在籍中。
ブランドバッグや腕時計などブランド品買取に関する情報を発信したりメディアからの依頼で雑誌などの監修も行っています。

【取材・監修実績】週刊SPA/MBS毎日放送(ゼニゲバ)
【所持資格】リユース営業士/ファイナンシャルプランニング

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貴金属買取に必要な資格と許可について

冒頭にも説明しましたが金やプラチナなどの貴金属を買取する鑑定士に必要な資格などはありません。古物商という公安委員会の許可さえ取れば資格などを持っていなくても買取業務を行う事が可能なのです。

これは貴金属に限らず宝石、バッグ、時計などそのジャンルでも特に買取するにあたり必要な資格はなく、あくでも古物商の許可さえ取得すれば問題ありません。

宝石には民間の宝石鑑定資格がいくつかあり持っていると持っていないとでは持っていた方がお客様から信用されますが取得には150万以上かかるものもあり、実際に特に何も資格を持っていない鑑定士の方が多いです。

KAKITANI
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貴金属装身具製作技能士など貴金属の製作に関する資格はありますが買取に関する資格はありません。

金の買取に関する資格は存在するのか

2021年9月時点ですがジュエリーコーディネーター、宝石鑑定士や貴金属装身具製作技能士などはありますが金の買取を専門的に取り扱っている資格を見つける事ができませんでした。

KAKITANI
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これまで10年以上買取業務に携わっていますが金の買取に関する資格について聞いた事もありません。

貴金属の買取業務と難易度について

そもそも貴金属の買取業務とは一体どのような仕事なのか?少し解説します。

まず初めにその貴金属は一体何なのか?純金なのか18金なのか、プラチナなのかメッキなのかを鑑定します。

鑑定といってもほとんどの貴金属には刻印が施されており、すぐに判別する事が可能です。刻印がない貴金属は比重計であったりX線検査機などで調べ判別します。(判別方法などはお店によっても異なります。)

貴金属の種類を判別した後に重さを測りその日のレートで計算すれば買取価格を出す事ができるのです。

貴金属の買取自体は難しい作業ではなく、中には刻印が入っているけど純度が違っていたり、素材自体が違うなどは時々ありますので見極める必要がありますが機械で調べるとすぐに分かります。

バッグや時計などは商品の知識が必要ですが貴金属の場合は純度や素材を見極めて重さを測るのみですのですので扱いやすいジャンルです。

貴金属買取業務に必要な知識とは

貴金属を買取するにあたり必要な知識と言えば刻印と純度についてです。例えばK18という刻印の場合もあれば750という刻印のものもあります。どちらも同じ18金ですが表記の仕方が違う場合があります。どんな刻印もネットで調べればすぐに出ますが中には千足金、万金など少し珍しい刻印のものもあります。

どのような刻印があるか事前に知っておくと買取時スムーズに対応する事ができますので刻印と純度については知っておいた方が良いです。

その他金には純金と呼ばれる24金が最も純度が高く高値が付きますが同じ24金でもネックレスなどのスクラップ、地金と呼ばれる形状とインゴットと呼ばれるバー状では業者が買い取ってくれる金額に違いがあります。これはプラチナも同様です。

ホワイトゴールドの場合パラジウムが入っているためイエローゴールドなどに比べて高く売れますがロジウムメッキが剥げているとイエローゴールドと同じ金額でしか引き取ってもらえない場合などもあります。

特に知識がなくても買取は可能ですがこのように少し細かいルールがありますので事前に調べておきましょう。

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買取した後はどのようなルートで売却するのかも大切です。

貴金属の買取を行う場合持っておいた方が良い資格は

資格が必要なくても買取はできるということは説明しましたがもし何かしらの資格を取得したい!と言った方で可能であれば宝石の鑑定資格を持っていた方がいいです。

貴金属と宝石は切っても切り離せない関係で貴金属を買取していると、ダイヤモンドなどの宝石が付いている場合があります。

宝石の買取にも資格は必要ありませんが宝石はかなり奥が深くて2つとして同じものは存在しません。1つ1つの価値をしっかりと見極める力、知識があった方がより正確な評価をする事が可能です。

宝石の鑑定資格はいくつか種類がありますがGIA、FGAなど世界的に権威があるものは取得するのに150万以上と取得にはかなり費用がかかります。

金や貴金属の鑑定士になるには

貴金属の鑑定士になるためには買取業務を行っているお店で働きましょう。

基本的に買取を行っているお店のほとんどが金など貴金属類の買取を行っています。

貴金属の買取のみを行いたいのであれば貴金属を専門的に取り扱っているお店を選ぶ事が大切で、色々なものを取り扱っているお店で働く場合は貴金属以外のものも買取する必要があり別の知識が必要になってきます。

貴金属を専門的に取り扱っているお店もありますのでどのようなお店か調べてから働くようにしましょう。

【まとめ】貴金属買取に必要な資格はない

今回は貴金属を買取するにあたり必要な資格についてまとめました。貴金属買取業務を行うにあたり必要な資格はなく、そもそも貴金属の買取に関する資格が存在していない可能性が高いです。

貴金属の買取を行うお店を営業するのであれば古物商が必要で古物商さえあれば貴金属、時計、バッグ、美術品なども取り扱う事ができます。

資格が必要ないため参入のハードルが高くありませんが高額な取引になりやすいため、個人で開業したい場合などはまずは一度貴金属の買取を行っているお店で勉強してから開業する事をおすすめします。

この記事を監修した人
KAKITANI

鑑定士歴15年。大手質屋で買取販売業務に従事し現在買取専門店に在籍中。
ブランドバッグや腕時計などブランド品買取に関する情報を発信したりメディアからの依頼で雑誌などの監修も行っています。

【取材・監修実績】週刊SPA/MBS毎日放送(ゼニゲバ)
【所持資格】リユース営業士/ファイナンシャルプランニング

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