プラチナの価値がなくなる?金は上昇したのにプラチナが下落する理由

監修者のKAKITANIです。

私は2008年頃からプラチナや金など貴金属の買取業務に携わっていますが当時8000円近くあったプラチナが今では半分近くの4300付近まで下がっていく様子を買取という現場で実際に体験して来ました。

プラチナの下落具合を見てプラチナはあまり価値がないと思われる方もいらっしゃれば、ディーゼル車の販売禁止が広がっている事もありディーゼル車の排ガスを浄化する触媒に使われるプラチナは必要なくなるのでは?と思う方などもいらっしゃいますが今回はプラチナの価値に関する内容を鑑定士という立場から解説します。

また金は上昇したのに対してなぜプラチナは下落したのか、金とプラチナの違いなどについてもまとめました。

プラチナの価値がなくなるかどうかなどに関しては断言する事ができない内容ですがプラチナの価値について知りたいという方は是非参考にしてください。

記事のポイント

・プラチナの価値がなくなるのか?

・プラチナが下落した理由

・プラチナの価格に影響を及ぼすポイント

 

プラチナの価値はなくならない!プラチナは希少性が高い

昔に比べて価格が下落した事もあり、プラチナの価値がなくなるのではないかと言う声がありますが価格が下がる可能性はあっても価値がなくなる事は考えにくいです。

そもそもプラチナと言う素材は非常に希少性が高い素材です。これまで産出してきたプラチナは金の1/30程で1トンの原鉱石からわずか3g程しか取れません。原鉱石からプラチナを取り出す際にも金に比べて時間と労力がかかり、様々な視点で見ても希少性が高い素材です。

プラチナは自動車関連や宝飾品関連の需要だけではなく医療や化学などの分野でも使われますので価値がなくなるというのは想定しにくいです。

FCV(燃料電池車)の普及と高まるプラチナの需要

プラチナの価値がなくなるのでは?と思われている方の中にはディーゼル車の販売禁止が背景にある方が多いと思います。

年によっても割合は異なりますがプラチナの3割から4割はディーゼル車の排ガス触媒に使用されていますが、そのディーゼル車が世界的に販売禁止になっていく方向になっています。

そこで需要がなくなってしまうのではと思われがちですが、ディーゼル車の代替として注目されているのがFCV(燃料電池自動車)です。

FCVにはディーゼル車の約10倍のプラチナが必要です。更にプラチナは水素製造装置など電気触媒など様々な所で今後需要が増すと期待されております。

2021年11月時点での金とプラチナの価格差について

2021年11月時点で金とプラチナはどれくらいの価格差なのか?

金は¥7,456に対してプラチナは¥4,300。プラチナは金の約57%の価格で1gあたりの価格差は¥3,156となっています。

10年前の相場と比較すると当時金は¥3,800円前後でプラチナは¥4,700円前後。いかに金が高騰したかも分かりますが同時にプラチナが下がったのも分かります。

KAKITANI
KAKITANI
現在は完全に金の方が高くなっておりプラチナの4300円は金でいうと14金と同じぐらいの価格となっています。

【過去15年間】プラチナの相場について

プラチナの価格が下落した理由を説明する前にプラチナはどのような価格推移になっているのか過去15年分掲載しています。

2006年~2013年

最高値最安値平均値
2006年5,1453,7244,331
2007年5,7054,3344,995
2008年7,5892,4545,385
2009年4,4112,7493,715
2010年5,3854,1974,637
2011年5,0543,6264,520
2012年4,6363,5774,080
2013年5,3054,2174,743

2008年のプラチナ相場

2008年年間を通してプラチナの相場を見ると一時期¥7,000を超えていた時もあったと思えば¥2,500円を下回るまで一時期は下落しました。この理由はリーマンショックです。プラチナは景気の影響を受けるという面がありますがリーマンショックは大打撃を受けました。

しかし一時的にかなり下がったリーマンショック後のプラチナ相場ですが底値になったことで投資目的が購入される方が増えた事により相場は徐々に戻りました。

2014年~2021年

最高値最安値平均値
2014年4,9774,2984,757
2015年4,9283,3674,199
2016年3,8903,2073,532
2017年3,8163,2873,523
2018年3,6782,8153,218
2019年3,4382,8703,119
2020年3,6842,3213,131
2021年4,4813,3443,969

プラチナが下落した理由

プラチナがなぜ下落してしまったのか?それは需要の問題であったりプラチナの産出国の南アフリカの経済状況など様々な要素があります。プラチナが下落した大きな理由を2つ解説します。

ディーゼル車向け需要の減少

プラチナの価格が下がった理由の1つにディーゼル車の需要減少が挙げられます。

特に2015年のフォルクスワーゲンが不正な方法で排ガス規制をクリアしていた事でディーゼル車に対する世界の目が冷ややかに。結果として欧州を始め世界中が自動車の電動化に方向転換する理由にもなりました。

現在ディーゼル車の販売シェアは年々減少。2015年時点では50%あった販売シェアも30%前後まで下落。

プラチナの大きな用途を占めていた自動車業界での需要が減ってしまった事がプラチナの価格を下落させた理由の1つです。

南アフリカ通貨ランドの下落

2つ目は南アフリカの通貨ランドの下落です。プラチナの主産地である南アフリカの通貨“ランド”が下落した事もプラチナの価格を下げた理由の1つとなっています。

南アフリカは輸出の際ランド安になると利益が減ってしまいますので、その分増産され結果としてプラチナの価格が下がってしまう傾向です。

プラチナの価格が全てランドに左右されるという訳ではありません、プラチナの価格とランドのレートを比較するとランドが下がった時にプラチナも合わせて下がっている傾向です。

今後プラチナの価格は高騰するのか予測

気になる事はプラチナの価格は今後高騰するのか?価格が今後どのように推移するのかについてですが、資産に関しては予測ができない部分も多い為、今後必ず高騰する絶対に下がるとは断言できません。

しかしどういったポイントがプラチナの価格に影響するのか把握しておく事で価格が高騰するか判断する材料にはなります。価格に影響する要因と合わせて予測してみました。

自動車業界含めた需要の拡大

まずは需要の問題です。需要が拡大すれば価値は上がるのは当たり前の話かと思います。プラチナの主な需要は自動車業界など工業での分野です。

ディーゼル車への規制は今後さらに加速していきますのでディーゼル車向けの需要は減少。この面だけで考えるプラチナは価格下落すると考えられますがどれだけ燃料電池車での需要が増えてくるかが大きなポイントになってきます。

水素を生成する装置などにはプラチナが使われるケースがある為、脱炭素、水素社会というワードが最近よく耳にしますがこれはプラチナにとっては高騰材料です。

水素社会が加速をするとプラチナの需要は増える事が予測できます。

好景気になれば上がる可能性が高い

プラチナは自動車業界を初め工業分野での需要が大きなシェアのため好景気の方が需要が増え、価格は高騰する傾向です。

特に2019年12月頃からコロナウィルスの影響で世界的にも景気は冷え込みました。プラチナも2020年の3月に最安値が2321円を記録。徐々に元に戻りつつ2021年の11月時点では3500円付近まで戻っています。

景気を判断する材料の1つが世界経済の成長率であるGDPです。

2020年世界のGDPは-3.5%だったのに対して2021年は5.6%が予測されています。(数値参照THE WORDBANK)

また先進国の金融緩和にも注目です。金融緩和が行われる事によって投資目的でのプラチナの需要が増え価格は上がる事が見込まれます。

下落が心配な方時は時期を見極めて売却を

プラチナや金などの貴金属は常に変動しており、中にはプラチナの下落が心配。価格が下がったら損をしてしまうからどうしようかと検討されている方は時期を見極めて売却することをおすすめします。

時期の見極めは難しくいつが高くていつ下がるかは誰にも分かりません。ご自身が納得いくタイミングもしくは相場を事前に決めておいてそのタイミングになった時点で売るとうことを行った方が、迷わず売る事ができます。

もしかして持っていたら今後上がるのでは?と思っていたら価格が下がってしまったなどは貴金属に限らずものを売るときにはよくありますので、ご自身が納得いくタイミングで売却しましょう。

お店によっては金やプラチナを売却する際に手数料がかかります。大手金買取店の手数料はこちらをご参照ください→金買取時にかかる手数料の相場は?大手買取店の手数料を徹底比較

【まとめ】プラチナの価値がなくなる可能性は低い

以上今回はプラチナの価値がなくなるのか?下落した理由やプラチナの価格推移などについてまとめました。

自動車の分野で需要があるプラチナ。主にディーゼル車での需要がありましたが、そのディーゼル社が世界的に販売禁止の流れとなっているため価値がなくなるのではと考える事もできますが、FCV(燃料電池車)など水素装置での需要が今後は期待ができます。

プラチナは希少性が高い素材で工業分野以外に投資であったり宝飾品の分野でも需要がありますので価値がなくなる事は想定しにくいです。

コロナウィルスの影響もあって景気が悪くなってしまいましたが今度景気の回復と共にプラチナの相場がどのように推移していくのか注目です。

この記事を監修した人
KAKITANI

ブランド鑑定士歴13年。
東京都在住。東京を中心に大阪などでも買取業務を経験。現在買取専門店に在籍中。
得意なジャンルは時計、バッグ、宝石。
【所持資格】リユース営業士/ファイナンシャルプランナー3級

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